アナリティクス

サブスクリプションに関するレポートの概要

レポートにアクセスして重要業績評価指標(KPI)を測定するには

サブスクリプションに関するアナリティクスのチャートに加えて、Apple Podcasters Programに登録しており、自身のサブスクリプションで有効なものが1つ以上あるクリエイターは、サブスクリプションのパフォーマンスに関する毎日更新のレポートをApple Podcast Connectからアクセスしてダウンロードできるようになりました。

レポートはどのように機能しますか?

データは、ユーザ側でのサブスクリプション課金処理が開始されたタイミングで記録されます。対象となるのは実際に課金処理が行われたユーザのみで、ファミリー共有を介してサブスクリプションにアクセスするユーザは、レポートに含められません。

レポートはどこにありますか?

Apple Podcast Connectで、「アナリティクス」タブに移動して下にスクロールすると、使用可能なレポートがすべて表示されます。

レポートを開くにはどうすればよいですか?

ダウンロードしたレポートは、NumbersTableauExcelなどのスプレッドシートアプリ経由で開くことができます。ピボットグラフを使用すると、アクティブなサブスクリプション登録者の人数を時系列で視覚化できます。

どのような種類のレポートにアクセスできますか?

Subscription Snapshot Report(サブスクリプションのスナップショットレポート)

Subscription Snapshot Report(サブスクリプションのスナップショットレポート)では、サブスクリプション提供開始以降の、過去の任意の日付におけるアクティブなサブスクリプション登録者の数を表示できます。つまり、「Report Date」(レポートの日付)の時点におけるサブスクリプション登録者の累積合計人数を簡単に確認することができます。レポートは、日次、週次、月次の形で利用できます。時間の経過に伴うサブスクリプション登録者数の変化を把握するには、日次レポートを複数ダウンロードして、それらの合計を並べて比較します。あるいは、週次または月次のレポートを同様にダウンロードして、「Report Date」(レポートの日付)ごとに合計を比較してください。Subscription Snapshot Report(サブスクリプションのスナップショットレポート)について詳しくは、こちらをご覧ください。

注:正確なサブスクリプション登録者数を取得するには、サブスクリプション登録者数を合算する際、「Report Date」(レポートの日付)の日付範囲が同一の各Subscription Snapshot Report(サブスクリプションのスナップショットレポート)に記載された数字を使用する必要があります。日付範囲が異なる各レポートに記載されたサブスクリプション登録者数を合算すると、人数カウントが不正確になり、水増しされてしまいます。

Subscription Events Report(サブスクリプションイベントのレポート)

Subscription Events Report(サブスクリプションイベントのレポート)では、更新やコンバージョンなどのサブスクリプションイベントに関する集計情報を確認できます。つまり、コンバージョン率や解除率といった補足的なメトリックスの計算に活用できます。レポートは、日次、週次、月次の形で利用できます。Subscription Events Report(サブスクリプションイベントのレポート)について詳しくは、こちらを参照してください。

Subscription Sales Summary Report(サブスクリプションの売上概要レポート)

Subscription Sales Summary Report(サブスクリプションの売上概要レポート)では、価格、収益、サブスクリプションの販売数など、サブスクリプションの購入に関する集計情報を確認できます。レポートは、日次、週次、月次の形で利用できます。このレポートを使用すると、収益合計の概要に基づき、Appleからの毎月の支払いで受け取る金額を見積もることができます。Subscription Sales Summary Report(サブスクリプションの売上概要レポート)について詳しくは、こちらを参照してください。

Listening Report(リスナーに関するレポート)

Listening Report(リスナーに関するレポート)では、コンテンツに対するリスナーのエンゲージメントに関する情報、たとえば再生時間、リスナーの種類、再生回数などを、ストアフロント、エピソード、エピソードの種類ごとに確認できます。このレポートを使用すると、無料コンテンツとサブスクリプション登録者向けコンテンツのそれぞれに対するリスナーのエンゲージメントを把握することができます。Listening Report(リスナーに関するレポート)について詳しくは、こちらを参照してください。

これらのレポートからどのような重要業績評価指標(KPI)を測定できますか?

レポートに含まれるデータを使用することで、サブスクリプションのパフォーマンスを理解するのに役立つさまざまなメトリックスを生成することができるようになります。

毎月の収益予測の把握

Subscription Sales Summary Report(サブスクリプションの売上概要レポート)と財務レポートの数字に齟齬がある場合は、次のいずれかの理由が考えられます。

  • 会計月。財務レポートでは、完了した課金処理と、最終的な収益に基づき行われた支払いがAppleの会計カレンダーに基づき表示されます。
  • 処理のステータス。課金の処理と完了には時間がかかる場合があります。ある月に開始され、Apple Podcast Connectに表示された課金処理は、ユーザの支払いが処理および回収されて請求書が発行されるまで(翌会計月になる場合があります)、財務レポートに反映されない場合があります。また、Appleが支払いを回収できない課金処理は、財務レポートには表示されません。
  • 為替レート。ダウンロード可能なすべてのレポートには、ユーザが支払った現地通貨での金額が表示されます。財務レポートに記載される最終的な支払いは、各レポートの通貨をクリエイターの銀行口座の通貨に換算するために使用される為替レートに基づいて決定されます。

お試しオファーのコンバージョン率

登録者の獲得に役立つよう、サブスクリプションに無料トライアルやお試しオファーを設定することを選択できます。その場合、サブスクリプション登録者が無料のサブスクリプションから有料のサブスクリプションに転換した割合を計算することができます。この割合、つまりコンバージョン率は、Subscription Events Report(サブスクリプションイベントのレポート)を使用して、標準価格のサブスクリプションに転換したお試しオファーのサブスクリプション登録者の数を、その同じ期間に取得されたお試しオファーのサブスクリプション登録者の総数で割ることで計算できます。

これを行う方法の1つは、「Paid Subscription from Introductory Offer」(お試しオファーからの有料サブスクリプションへ)イベントの合計数を、「Start Introductory Offer」(お試しオファーの開始)イベントの合計数で割ることです。お試しオファーを利用したサブスクリプション登録者という特定のコホートのコンバージョン率を正確に追跡するには、お試しオファーの期間の長さに1週間を加えた時間に相当する期間の経過後にレポートを確認する必要があります。これは、「Subscription Start Date」(サブスクリプションの開始日)では週別のコホートデータが示されるためです。

サブスクリプションの解除率の測定

サブスクリプション登録における継続や解除の状況を理解することは、有料サブスクリプションを利用するユーザにおける、数の伸びと顧客生涯価値を測定する上で重要です。Subscription Events Report(サブスクリプションイベントのレポート)を使用して、特定の期間に登録解除されたサブスクリプションの数を、その同じ期間に更新される予定だったサブスクリプションの数で割ることで、解除率を計算できます。

これを行う方法の1つは、Subscription Events Report(サブスクリプションイベントのレポート)の「Cancel」(キャンセル)イベントと「Refund」(払い戻し)イベントの「Quantity」(数)列の合計を取得し、それを前期間の最終日時点におけるSubscription Snapshot Report(サブスクリプションのスナップショットレポート)の全額支払い済みサブスクリプション登録者の「Subscription Count」(サブスクリプション数)列の合計数で割ることです。

以下は、毎月の解除率の計算例ですが、毎週の解除率も同様の方法で求められます。解除率ではなくリテンション率を調べる場合は、求めた解除率を100%から引いてください。

解除率を使用したサブスクリプション登録者の整理および識別

サブスクリプションを開始した時期に基づいてサブスクリプション登録者をコホートに分けることで、さまざまなグループ間での解除率の変化を把握することができます。たとえば、実行するマーケティングキャンペーンの前、最中、または後に登録したサブスクリプション登録者の間で、解除率に違いがあるかどうか調べる際にこの手法が使えます。

上の計算で使用した、Subscription Event Report(サブスクリプションイベントのレポート)の「Subscription Start Date」(サブスクリプションの開始日)の情報を合わせて考えることで、マーケティング戦略に沿ったグループを特定することができます。「Subscription Start Date」(サブスクリプションの開始日)のデータは、サブスクリプション登録者が登録を解除しない限りイベントレポートに記録として残るため、特定したグループは経時的な追跡が可能です。

登録解除後に再登録したサブスクリプション登録者(「ウィンバック」と呼ばれます)を考慮に入れた正味の解除率を計算するには、上記(A)のSubscription Events Report(サブスクリプションイベントのレポート)の中にある「Reactivate」(再アクティベート)イベントおよび「クロスグレードで再アクティベート」イベントの「Quantity」(数)列の合計を計算に含めます。

サブスクリプション登録者数の「グレーゾーン」の特定

サブスクリプション登録者が猶予期間中にサービスにアクセスできるものの、課金処理を正常に実行できる支払い方法を登録していないという場合があります。猶予期間が終了する前に課金処理を完了できない場合、このようなサブスクリプション登録者は「支払いの再試行」状態になり、Appleはサブスクリプションを再開するため、登録されている支払い方法に対して請求を試行し続けます。

この間、サブスクリプション登録者はサービスにアクセスできなくなります。このような「グレーゾーン」のサブスクリプション登録者を解除率の計算に含めるかどうかは、各自で自由に決めることができます。サブスクリプションの猶予期間と支払いの再試行の仕組みについては、こちらを参照してください。