Apple Podcastにおけるサブスクリプションの開始と成長に役立つ10のポイント
Apple Podcastでプレミアムな体験を提供している番組は今や、何千何万にものぼります。サブスクリプションは一つひとつ、内容も提供する価値も異なります。一方で、どのサブスクリプションにも適用できるようなベストプラクティスや知見も存在し、こうしたものがAppleで蓄積されてきています。
これまでわかっていることの中から、オーディエンスの心に響くサブスクリプションの作成に特に役立つ情報を10個ご紹介します。
1. サブスクリプションを開始すると、合計リスナー数が増加する。
クリエイターがサブスクリプションの開始を検討する際に抱く疑問として多いのは、「無料リスナー層の数にどう影響が及ぶか」という点でしょう。Apple Podcastで一定のファンがいる番組において有料サブスクリプションを開始したケースの中で、上位のものを確認する限り、その結果は良好です。平均して、サブスクリプションの開始後4週間で、無料リスナー層の合計数は増加しています。
これは、サブスクリプションを開始すること自体が、番組全体にとって新しいマーケティングの機会となっているからです。Apple Podcastサブスクリプションの開始をご検討いただく際には、番組全体のリスナー数の拡大とサブスクリプションによる収益化の2つを秤にかける必要はありません。
2. 再生数が特に多い番組をサブスクリプションに組み込むと、コンバージョン率が最大になる。
複数の番組がある場合、再生数が特に多い番組をサブスクリプションに組み込むと、リスナーの登録率が上がります。また、オーディオ、エピソードの説明欄、App内のバナーなどを使ったプロモーションを活用し、サブスクリプションの情報にリスナーが接する機会を増やすほど、無料聴取していた層が有料サブスクリプションに登録する比率も上がります。
つまり、リスナー数が多ければインプレッションが上がり、サブスクリプション登録者数の増加につながります。
3. サブスクリプション登録者向けのコンテンツを定期的に公開すると、サブスクリプションの登録数が増加する。
特に成功しているサブスクリプションでは、定期的に特典を組み、既存のリスナーも新しいリスナーもプレミアムな特典を常に楽しめるようにしています。
たとえば、「毎週木曜にサブスクリプション登録者向けの新エピソードを公開します」というように、サブスクリプション登録者向けの特典の周期を一貫してわかりやすく伝えることで、無料で聴取していた層が有料サブスクリプションに登録し、満足して利用を継続する可能性が高まります。
新しいエピソードのリリースとサブスクリプションの間には強い相関関係があります。また、複数の番組を制作しているクリエイターの場合、新しい番組の開始とサブスクリプションの間にはさらに強い相関関係が見られます。
4. サブスクリプション登録者向け特典で特に効果的なのは、先取りアクセスと限定コンテンツである。
サブスクリプションに関する特典は選択肢が広く、番組やチャンネルに対し個別に設定することができます。新しいエピソードに2週間などの期間を設定した先取りアクセスと、毎週のボーナスエピソードなどの限定コンテンツが、無料リスナー層を有料サブスクリプション登録に促す上で最も効果的であることがわかっています。
これにはいくつかの理由があります。まず、特別コンテンツや優先的アクセスという特典の方が、プロモーションが目に見えてわかりやすいという点で広告なしでの再生という特典より優れています。このため、結果的にコンバージョン率への効果も高くなっています。また、無料で楽しんでいるリスナーがApple Podcastでサブスクリプション登録者向けのオーディオを再生しようとすると、視覚に訴えかけるようなメッセージを表示できますが、これも理由の一つです。
5. 特に人気のあるクリエイターの場合、リスナーの10%以上がサブスクリプションに登録している。
ポッドキャストのクリエイターにとって、サブスクリプションでひときわ重要となるのは獲得できる登録者の数です。新たに提供開始となったApple Podcastサブスクリプションのうち、5つに1つが開始後6か月で10%を超える登録率を達成しています。これは驚くべき傾向です。Apple Podcastは、確固としたサブスクリプションビジネスを築くという意味で、他にはない可能性があることがおわかりいただけるのではないでしょうか。プレミアムなオーディオを提供するなら、聴取や購入の豊富な実績があり、信頼性も高いプラットフォームを使うのが望ましいでしょう。
6. 人気かつ効果的なのは、年額プランである。
年額プランは、サブスクリプションに新たに登録する人の3分の1が選択する人気のプランです。また、年額プランで大幅な割引を提供するほど、このプランを選択する登録者の割合が高まります。クリエイターは前もって支払いを受け取ることができ、リスナーは1年間分の特典が約束される、というのがこのプランの大きなメリットです。
7. サブスクリプション登録者は、たくさん聴取し共有頻度も高い。
サブスクリプション非登録者と比べて、登録者が聴取する1か月あたりの番組数は2倍超、知人にポッドキャストを共有する確率も2倍超です。Apple Podcastでサブスクリプションを提供することで、特に熱心なリスナーが、より多くの時間を番組の聴取や情報拡散に費やしてくれるようになります。
8. サブスクリプション登録者は、連続番組を最後まで聴取する確率がより高い。
ポッドキャストは、ほかのメディア形態と比べて、高い再生完了率を誇っています。サブスクリプション登録者向けコンテンツではこの数値はさらに高まり、連続番組では、登録者は非登録者と比較してシリーズの最終エピソードまで聴取する割合が20%高くなります。クリエイターにとって、サブスクリプションは特に熱心なファンとより深く交流できる方法なのです。
9. 無料トライアルを提供することで、リスナーのサブスクリプション登録率が上がる。
リスナーは、サブスクリプションに登録する前に、プレミアムな特典を試してみたいと思うものです。無料トライアルを提供した場合、無料リスナー層が有料サブスクリプションに登録する確率は2.5倍高くなります。
無料トライアルの期間は、3日間から1年間までさまざまなオプションから選択でき、期間の変更も可能です。一般的なトライアル期間は7日間です。無料トライアルを提供する際は、新しいサブスクリプション登録者向けコンテンツを必ず定期的にリリースして、リスナーがトライアル期間中にサブスクリプションの良さを感じることができるようにしましょう。
10. チャンネルを作成すると、同一クリエイター提供の別番組を見つけて聴取するサブスクリプション登録者が増加する。
番組は、複数のものを提供している場合、無料で1つのチャンネルにまとめることができます。また、1つ以上の番組向けにプレミアムな特典を用意したチャンネルサブスクリプションを提供することも可能です。非登録者と比べて、チャンネルにサブスクリプション登録しているリスナーは、チャンネル内で複数の番組を聴取する割合が20%高くなっています。
サブスクリプションを立ち上げるにあたりさらにヒントが必要な場合は、「理想的なサブスクリプション戦略の見極め方」をご覧ください。