理想的なサブスクリプション戦略の見極め方
サブスクリプションの導入を検討する中で、何から始めたらよいか迷っていますか?
Apple Podcastサブスクリプションで提供できる特典について知り、それらが番組の制作や配信にどうフィットし、リスナーの獲得につながるのか学びましょう。
追加コンテンツ
番組の熱烈なファンにとって何よりも嬉しいのは、新しいコンテンツが増えることです。制作スケジュールを調整できる方はぜひ、特典として追加コンテンツの制作をご検討ください。
既存のエピソードに新しいコンテンツ、独占コンテンツ、未公開コンテンツを加えたり、サブスクリプション登録者だけが聴ける新作エピソードやまったく異なるエピソードを提供したりしましょう。こうしたサブスクリプション限定コンテンツは、定期的に配信する場合はとりわけ、リスナーのサブスクリプションへの登録を大きく後押しします。
この戦略が向いている方
- ファンがもっと番組を聴きたがっている。
- サブスクリプション登録者限定の追加コンテンツを、定期的に制作できる状況にある。
留意点
- ボーナスコンテンツは完成されたエピソードでなくてもかまいません。たとえば、インタビューの長尺版、アウトテイク集、ゲストとの雑談、リスナーからのボイスメッセージ集、無料版で視聴できる定番コーナーの再編集版などをご検討ください。
- ボーナスコンテンツは、決まったスケジュールで公開しましょう。毎週特定の曜日や、毎月同じ日に、サブスクリプション登録者用の新作エピソードを公開すれば、リスナーはいつコンテンツが届けられるのか予測できます。
- 無料エピソード内でボーナスコンテンツを宣伝しましょう。ティーザーを流したり、ボーナスコンテンツの一部を公開したりすることで、リスナーはサブスクリプション登録者だけが聴ける内容を事前にチェックできます。
実践例:Kermode & Mayo’s Take
長年コンビを組んできたMark Kermode氏とSimon Mayo氏が、2人の専売特許である「ウィットの効いたエンタメ」をより幅広いリスナーに届けるために立ち上げた番組が「Kermode & Mayo’s Take」です。
2人はこの番組で毎週、面白いテレビ番組や映画を取り上げ、紹介しています。「Extra Takes」のサブスクリプション登録者は、毎週定期的に公開される、多彩なボーナスコンテンツを聴くことができます。まず金曜に無料のエピソードが公開され、続けて月曜に定期ボーナスコンテンツが配信されます。ボーナスコンテンツの内容は、「One Frame Back」や「Mark and Simon Spoil Everything」といった完全に新しいエピソードブランドから、有名ゲストとのインタビューのノーカット版や長尺版に至るまで、多岐に及んでいます。ボーナスコンテンツは「Kermode & Mayo」が提供する全体的な体験の一部となっており、無料と有料のエピソード両方でプロモーションが行われています。
こうしたサブスクリプション戦略により、リスナーが有料コンテンツの魅力に定期的に触れていくうちに、徐々に熱心なファンへと変わっていきます。
広告なしの再生
ポッドキャストの広告には面白いものが多い一方、お気に入りの番組を中断されずに聴きたいと思っているユーザも少なくありません。そのため、広告を流している番組では、広告なしで視聴できる選択肢を設けるだけでも、リスナーにとって魅力的なメリットになることがあります。
この戦略が向いている方
- 番組内で広告を流している。
- 収録スケジュールや番組内容は変更せずに、サブスクリプションの特典を提供したい。
留意点
- 各エピソードを編集して、広告のないバージョンを作成しましょう。その際は、コーナー間のスムーズな移行を心がけてください。
- 広告の代わりに、サブスクリプション登録者ヘの感謝の気持ちや、広告なしの体験であることを伝えるメッセージを時折はさんでみましょう。
実践例:Were you raised by wolves?
「Were you raised by wolves?」は2019年にNick Leighton氏とLeah Bonnema氏が立ち上げた、毎週エピソード形式で配信されるエチケットがテーマの番組です。
少数精鋭の独立系クリエイターである2人は、自分たちの制作能力を超えない範囲で、ファンが簡単に番組を支援できる方法を取り入れられないか検討していました。
そこで、まず白羽の矢を立てたのが、広告なしで聴けるサブスクリプションの導入でした。各エピソードの広告なし版を作成して、Apple Podcast Connectにアップロードするだけなら難しいことはなく、時間もかかりません。
早期アクセス
番組のファンは最新エピソードを今すぐ、誰よりも早く聴きたいと思っています。だからこそ、有料サブスクリプション登録者だけが得られるエピソードへの早期アクセスは、最も魅力的なサブスクリプション特典の1つなのです。
この戦略が向いている方
- 決まったスケジュールで番組を配信している。
留意点
- 早期アクセス版のリリースに間に合うよう、前もってコンテンツを完成させておきましょう。
- 早期アクセスの仕組みはできるだけシンプルにしましょう。たとえば、サブスクリプションの登録者にはミニシリーズの全エピソードを第1話と同時に配信したり、毎週の新作エピソードを2日前に公開したりする形式にします。
- サブスクリプション登録者に先行配信するエピソードは、オーディオ、タイトル、説明を変えて明確に区別しておきましょう。無料版との配信時期の違いがわかりやすくなります。
実践例:Ten Percent Happier
元々瞑想に懐疑的であったジャーナリストのDan Harris氏が瞑想を始めたのは、テレビ番組の生放送中にパニック発作に見舞われたことがきっかけでした。その後Harris氏はさまざまな過程を経て、幸せとは、ジムで運動するのと同じように、学び、鍛えることができるスキルであるという新しい考えにたどり着きます。
「Ten Percent Happier」では毎週、そんなHarris氏が瞑想の指導者や一流の科学者をはじめとする数々のゲストを招き、ゲストたちが行っている瞑想や日々のアドバイスについて語っています。サブスクリプション登録者は、エピソードを広告なしで、かつ通常より1週間早く聴くことができます。
アーカイブアクセス
過去に制作および配信済みのコンテンツを幅広く活用できる、柔軟性に優れた特典です。過去のエピソードすべて(直近数週間分を除く)や、長寿番組のエピソードを1年分丸ごと聴けるなど、無料版では得られないメリットをサブスクリプション登録者に提供できます。
この戦略が向いている方
- 数多くのエピソードを持つ長寿番組や複数のシーズンを抱える番組を運営している。
- 余計な手間をかけずに、サブスクリプション登録者に特典を届けたい。
- 広告付きの過去のエピソードを主な収益源としていない。
留意点
- 複数シーズンにわたる番組では、最初のシーズンをサブスクリプション登録者限定にすることを検討しましょう。番組を気に入った新しいリスナーが、アーカイブ済みの過去のエピソードも聴きたくなって、サブスクリプションへの登録を考えるかもしれません。
- アーカイブ済みの過去エピソードを広告なしで視聴できるように編集することを検討しましょう。
- 無料エピソード内でティーザーを流したり、一部を紹介したりして、現在のリスナーにアーカイブ済みエピソードの魅力を伝えましょう。
実践例:Radiolab
「Radiolab」は20年以上にわたってリスナーの好奇心をかき立てながら、深遠な問題を投げかけるストーリーを届けてきました。
「Radiolab+」のサブスクリプションでは、番組の膨大なカタログを活用して、もう当該番組のRSSフィードで一般公開されていないエピソードへのアクセスをサブスクリプション登録者に提供しています。それに加えて、もともとは「Radiolab」で配信していた数年前の人気ミニシリーズも、個別の番組として簡単に楽しむことができます。つまりサブスクリプションに登録すれば「Mixtape」や「The Vanishing of Harry Pace」といった傑作ストーリーを、広告なしで、「Radiolab」のチャンネルページから手軽に聴けるというわけです。
特典の複数活用
Apple Podcastサブスクリプションなら、幅広い特典をリスナーに提供することができます。さらに複数の特典を組み合わせれば、より魅力的で特別な体験をファンに届けられるでしょう。たとえばサブスクリプション登録者は、以下のような特典を享受できます。
- 番組をいち早く、広告なしで視聴できる。
- 新作エピソードを視聴したのち、ボーナスの舞台裏インタビューを楽しめる。
- アーカイブ済みの過去の傑作エピソードに加えて、限定のボーナスエピソードも楽しめる。
こうした特典は自由に組み合わせられます。また、どのような選択をした場合でも、随時以下の変更を加えることができます。
- 新たな特典をオファーに加える。
- ファンがサブスクリプションに登録したくなるよう、メッセージを変える。
- チャンネルやサブスクリプションに新しい番組を追加する。
始める準備が整ったらApple Podcast Connectにサインインして、Apple Podcasters Programに参加しましょう。ポッドキャストを運営していく中で役に立つたくさんのリソースもご用意しています。